Risk control子供のリスクコントロール
病気を予防するための治療
予防歯科では、虫歯や歯周病になってから治療するのではなく、それらの病気を予防するための治療を行います。病気になってから治療をしたとしても、失ってしまった歯や歯ぐきは元には戻りません。 だからこそ、しっかり予防していくことが大切なのです。
フッ素とは
フッ素は化学的に合成されたものではなく、自然界に広く分布している元素です。土の中では280ppm、海水には1.3ppm含まれています。飲み水や海産物、肉、野菜、果物、お茶などほとんどの食品に微量ながら含まれています。そして私たちの身体(歯や骨、血液中や軟組織)にも存在しています。
フッ素元素がイオンの状態にあるものをフッ化物イオン、フッ素イオンが含まれる化合物をフッ化物と呼びます。虫歯予防に用いられる「フッ素」は正確にはフッ化物として、歯磨剤や洗口液に含まれています。便宜的、慣習的にフッ化物を「フッ素」と呼ぶ傾向があり、多くの方にこの呼び方が浸透しています。
フッ素塗布とは
医院で歯に高濃度のフッ素を塗布します。 フッ素を定期的に歯の表面に塗布する事で、虫歯になりにくい歯を育てていきます。 十分な効果を得るためには、年に3~4回のフッ素塗布を行うことが理想です。また、フッ素塗布は1歳児から実施することができます。
フッ素塗布の注意点
フッ素が歯面に対して効果を発揮できるようにするために、塗布後30分はうがいや飲食を控えていただくと良いでしょう。また虫歯予防の効果を得るためには年に2回以上の塗布が有効だといわれています。
フッ素の3つの効果
- 歯質を強化する
- 再石灰化作用を助ける
- 虫歯原因菌の活動を抑える
虫歯の原因菌が出す酸(歯を溶かしてしまう成分)に対して、歯のエナメル質を硬くすることで、虫歯の原因菌が作り出す酸に強い歯を作っていきます。
酸で溶けてしまった虫歯になりかけた部分をもとに戻す、唾液の再石灰化作用を助けます。
歯の表面には、口の中に存在する菌が多く付着しています。この付着している菌の塊をプラーク(歯垢)と呼びます。フッ化物がプラークに取り込まれると、プラーク中の虫歯の原因菌の活動を抑えて、歯を溶かす酸が作り出される量を抑制することができます。